<赤いあざ>大分の男性、難病公表に共感の輪

◇「心の支えになった」ネットに賛辞

生まれつき右上半身を覆うほどの赤いあざがある大分市の男性が、こうしたあざへの理解を広めようと、上半身の写真と病名をフェイスブック(FB)で公表したところ、偏見や病気に悩む人たちから「心の支えになった」などとインターネット上で共感が広がっている。既に5300人以上がこの投稿をシェアし、2万人以上が「いいね!」を押した。男性は驚きつつ、悩みがあってもあざを隠さずに強く生きてほしいと願っている。

男性は大分市の病院職員、首藤雄三さん(57)。生まれた時から顔の右側から胸、背中、右腕にかけてあざがある。その部分はしびれがあり、出血すると止まりにくい。今年10月に受診した大分市の県立病院で、初めて難病の「Klippel-Trenaunay(クリッペル・トレノニー)症候群」だと分かった。「あざがある人だけでなく、産んだ母親はもっと苦しんでいるかもしれない。1人で苦しんでほしくない」と公表を決めた。

「目を見れば分かるんです。『この人、俺のあざを気持ち悪いと思ってるな』って」。あざとともに生きてきた人生。両親はあざについて説明や謝罪はせず、首藤さんも尋ねたことはない。「普通の子として接してくれたのが、何よりありがたかった」。もともと明るい性格で、学生時代から柔道や相撲に汗を流し、大学卒業後も体育教師、水泳スクールのコーチなど肌をさらすことをいとわず生きてきた。

だが、つらかったことも数え切れない。結婚を考えたある女性はあざを受け入れてくれたが、ある日、女性の母親に呼び出された。「あなたみたいにあざがある人が義理の息子になるなんて恥ずかしい」。板挟みで苦しむ女性を見ていられず自ら離れた。

公表後、首藤さんのFBに、あざを持つ人やその家族らから「あざがコンプレックスだったが、言葉にならないほど共感した。心の支えとして生きていきたい」「勇気ある生き方に感動して心が洗われた気分です」など多くのコメントやメッセージが寄せられた。

首藤さんはその一つ一つに返信している。「公表したことに間違いはなかった。残りの人生で自分の役割が見つかったようにも思う。一人でも多くの人の生きる力になれたら、これほどうれしいことはないですよ」

◇治療法がない病気、遺伝する可能性も低く

首藤さんを診断した大分県立病院皮膚科の斉藤華奈実医師によると、母斑症の一種「Klippel-Trenaunay症候群」は、血管やリンパ管の異常や赤黒いあざが四肢のどこかに先天的に発生し、部分的に肥大する。首藤さんは42歳で脳出血を発症して右半身にまひが残るが、同症候群が原因の可能性があるという。非常に珍しい病気で、治療法がない一方、感染の恐れはなく、遺伝する可能性も低い。

同症候群などの患者や家族による「混合型脈管奇形の会」(会員数約30人)は、国に難病指定を求める延べ120万人超の署名を提出。今年7月、同症候群などが難病指定を受けたが、社会の認知度は低い。馬田朋子代表(39)=岐阜市=は「一番求めているのは治療法の確立。そのためにもこういう病気があると知ってほしい。首藤さんの行動はすごくうれしかった」と訴える。




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