診療報酬:マイナス改定へ 本体の引き下げ焦点

政府・自民党は、医療の値段である診療報酬を2016年度の改定で引き下げる調整に入った。マイナス改定は8年ぶり、前回(14年度)は消費増税分が加算されており、実質では2回連続マイナスになる。診療報酬のうち、「薬価」部分は1%超の引き下げとした上で、医師や薬剤師の技術料など「本体」部分も横ばい程度で調整しており、10年ぶりの本体マイナスに踏み込むかが焦点になる。

診療報酬改定は国家財政に与える影響が大きく、16年度予算編成の最大の焦点の一つ。厚生労働省は8月末の概算要求で、高齢化に伴う年金・医療費などの自然増を6700億円と見積もっているが、政府の財政健全化計画に基づき、1700億円程度の圧縮を求められている。

同省は来年度に大きな制度改正などがなく、主に診療報酬改定で解消しなければならない。1%下げで約1100億円の国費抑制効果が見込まれ、全体の下げ幅は最大1.5%程度を軸に検討している。

診療報酬のうち、薬価については毎回、実勢価格下落に合わせ1〜2%程度下げてきた。来年度も同水準の引き下げをする。一方、本体でも、大病院に隣接して多くの処方箋を受け付けるだけで、服薬指導などをしていない「門前薬局」の報酬引き下げなど薬剤師の技術料にも切り込む。

ただ、日本医師会は来春に会長選を控えており、大幅なマイナス改定には自民党内に来夏の参院選への影響を懸念する声がある。このため、本体のうち医師の技術料などへの切り込みは抑え、「政治的に許容できる範囲」(自民政調幹部)で調整する方針だ。




http://mainichi.jp/select/news/20151122k0000m010112000c.html