今年は患者急増の恐れも!「新型ノロウイルス」は何が違う?

今シーズン、大流行の恐れがあるというノロウイルス。何でも国内で新型のノロウイルスが広がっているそうだ。今回は、新型のノロウイルスを世界で初めて検知し、国際機関に登録したという川崎市健康安全研究所に、その特徴と対策を伺った。

■免疫がないため、急速に拡大する可能性がある

「教えて!goo」に「嘔吐恐怖症でノロウイルスが怖く、毎日不安です」という質問が挙がっているように、不安が募るこの時期。回答者たちは質問者への共感を示しつつ、「うがい&手洗いはもちろんのこと 部屋に使い捨ての置き型ウイルス除去剤を置いています」(miomu-omさん)、「室内の温度と湿度を上げ、定期的に換気しました。食事は全て75℃以上で1分以上加熱し、牡蠣等の二枚貝は食べませんでした」(hiroki033さん)、「食器類は熱湯で1分以上煮沸」(miku-chiさん)などの対策を投稿している。

川崎市健康安全研究所の石川真理子さんによると、

「今回発見されたGII.17変異株(GII.P17-GII.17)は、これまでに流行していない遺伝子型のノロウイルスです。2014年12月までの主要流行株は、GII.4というタイプでしたが、2015年1月以降はGII.4に変わりこのGII.17変異株が主要流行株になりました」(石川さん)

とのこと。それでは一体、どのような特徴があるのだろうか?

「GII.17変異株は、これまで流行していないことから、多くの人は免疫を持っていないため、感染が急速に拡大する恐れがあります。とくに子どもや高齢者の施設で広がると、誤嚥(ごえん:食べ物などが気管に入ってしまうこと)による窒息や脱水等により重症化する懸念があります。また、医療機関等で診断にもちいられるノロウイルス迅速簡易キットは、GII.17に対しては感度が不十分であるため、GII.17感染者であっても陰性と判定され治療・予防に遅れが生じる可能性があります。そのため、今シーズンのノロウイルスの流行には細心の注意を払う必要があります」(石川さん)

病院へ行っても、感染しているか分からない可能性も。症状は従来のノロウイルスと変わらず、嘔吐や吐き気、下痢、腹痛、発熱が主症状と考えられているようだ。

■例年以上に十分な対策を心がけよう

新型だからといって従来のノロウイルスよりも症状が酷くなったりするということは無さそうで、感染経路も同様だ。

「ノロウイルスに汚染されたカキなどの二枚貝を生食または加熱が不十分な状態で食べたりすることが原因となるほか、ノロウイルスに感染した人が調理した際に汚染された食品を食べることによっても感染します。そのほか、ノロウイルス患者の糞便や吐物、ノロウイルスが付着したトイレやドアノブ等から、手指等を介してノロウイルスが口に入ることでも感染します」(石川さん)

確実な手洗いを習慣付けることや、汚染が疑われる場所、例えばトイレやドアノブ等の次亜塩素酸ナトリウムによる消毒が有効とのこと。患者は重症化を防ぐために水分補給や誤嚥防止に十分に気をつけ、療養する必要があるそうだ。

対策としてはこれまでと同様のことに気を付けるべきだが、新型ノロウイルスの場合、感染していても発見が遅れ、さらなる拡大を招く可能性がある。今まで以上に警戒しよう。

●専門家プロフィール:石川真理子

川崎市健康安全研究所ウイルス・衛生動物担当係長。獣医師。分子生物学を専門とし、主に下痢症ウイルス研究を担当。所属しているウイルス研究チームの一員として、2015年以降流行しはじめた変異型ノロウイルス「GII.17」をいち早く検知し、国際機関に登録した。




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