国のタクシー値上げ命令は「違法」 大阪地裁が初判断、格安運賃維持認める

タクシーの初乗り運賃の幅を国が定める現行の「公定幅運賃」は、業者間の自由競争を阻害しているとして、公定幅を下回る格安運賃で運行してきたタクシー会社「ワンコインドーム」(大阪市西区)が国に値上げを強制しないよう求めた訴訟の判決が20日、大阪地裁であった。西田隆裕裁判長は格安タクシー会社の経営実態を全く考慮せずに決められた公定幅運賃について「合理性を欠き、違法だ」として、国に運賃変更命令などの差し止めを命じた。

公定幅運賃をめぐる正式裁判の判決は初めて。国土交通省によると、公定幅よりも安い運賃を設定している法人事業者は、大阪、福岡などの計13社。今回の判決は他業者の処分にも影響するとみられる。

国は昨年1月に施行された改正タクシー事業適正化・活性化特別措置法に基づき、過当競争によるタクシー運転手の労働条件悪化を防ぐ目的で公定幅運賃を指定。原告が営業区域としている「大阪市域交通圏」については、近畿運輸局が同年4月以降、初乗り運賃(2キロまで)を660~680円の範囲内にするよう各事業者に義務付けた。

一方、初乗り500円で運行してきた原告は同運輸局の是正勧告に従わず、公定幅運賃への変更命令を出さないよう求める訴えを同月、大阪地裁に起こした。

判決理由で西田裁判長は、旧制度下で原告が国の審査を受けた際、「不当競争を引き起こす恐れがない」として500円の運賃を認可されていた点を重視。公定幅運賃の範囲を決めるにあたっては、原告のような格安タクシー事業者の経営実態を個別に考慮したうえで、下限額を定める必要があったと指摘した。そのうえで、国による一方的な公定幅の設定について「裁量権の乱用にあたる」と判断した。

原告は判決に先立ち、運賃変更命令の差し止めを命じる仮処分の決定を得ており、現在も消費税分を転嫁した初乗り510円で営業している。




http://www.sankei.com/west/news/151120/wst1511200060-n1.html