糖尿病予防に「ベジ・ファースト」 血糖値の上昇緩やかに

14日の「世界糖尿病デー」に合わせ、11月は全国各地で糖尿病予防の啓発活動が行われている。糖尿病は予備軍を含めると、2千万人以上が罹患(りかん)する可能性のある「国民病」。すぐに取り組める食の改善から、予防につなげようという動きが始まっている。

11月6日夕刻。東京都北区の西友赤羽店では、この日に発売された「8品目のヘルシー弁当」(税別398円)が、好調に売れていた。近所の主婦(88)は「この年になると手の込んだ料理を作るのは無理。野菜がたくさん入っているのはありがたい」と話し、弁当を手にした。

同弁当は、糖尿病の予防啓発などを行う日本糖尿病協会が監修したもので、11月末まで全国341店舗で販売されている。チキンのトマト煮をメーンに、ダイコンやサトイモの煮物、コマツナのおひたしなど、野菜を豊富に使ったおかずに、五穀米などを合わせた。エネルギーは464キロカロリーに抑えられ、塩分も2・3グラムと控えめ。タンパク質と脂質、炭水化物の三大栄養素のバランスに配慮されているという。

同協会の山田祐一郎理事は「糖尿病患者の食事は、一般の人にとっても健康にいい。食事の際にどんなことに気をつければよいか、意識づけるという意味でも食べていただけたら」。西友の総菜を製造する「若菜」(埼玉県川越市)の商品部長、江原秀知さんは「最近は主婦やシニア層も総菜を活用しており、健康志向への配慮は欠かせない。他の商品も見直し、ニーズに応えるものを出していきたい」と意気込む。

外食や市販の総菜、弁当を多く利用する人でも、バランスのよい食生活を送れるよう、街ぐるみで取り組むのが東京都足立区だ。

同区は2年前から「ベジタベライフ」と称した施策を展開している。飲食店やスーパー、青果店など、区内の約640店が協力し、野菜をたくさん使ったメニューを用意するほか、野菜サラダなどを最初に出す「ベジ・ファースト」を行っている。

血糖値の急激な上昇を抑えるには、(1)野菜→魚や肉→ご飯やパン、という順番で食べる(2)よくかんで、ゆっくり食べる-ことが有効だ。野菜や海藻などに含まれる食物繊維は糖の吸収を穏やかにする効果があり、ゆっくり食べることで少量でも満腹中枢が刺激されて食べ過ぎを防げる。

取り組みは大学にも広がっており、同区千住の東京電機大では18日に学食で「野菜からかむカムランチ」(500円、118食限定)を提供する予定だ。当日は学食を一般に開放し、かむ回数の計測会や管理栄養士による食生活相談なども行われる。

同区が行った診療報酬明細書(レセプト)を基にした調査では、糖尿病の受診が23区で最も多く、患者1人当たりの医療費も高い。区民の野菜の摂取量は1日当たり平均254グラム。全国1位の長野県(男性379グラム、女性353グラム)より約100グラム少なかった。「ベジタベライフ」によって、外食が多い人でも野菜をとりやすい仕組みを作ることで、予防につなげる狙いがある。

同区こころとからだの健康づくり課長、馬場優子さんは「料理をしない人も野菜を食べられる環境をつくりたい。食べる順番を少しだけ意識してもらうことから糖尿病予防につなげられれば」と話している。




http://www.sankei.com/life/news/151117/lif1511170010-n1.html