知らないとヤバい!医薬品の正しい服用法 ジェネリック薬を誤解していませんか

病気やけがの治療で医療機関に支払われる国民医療費。日本の国民医療費は一貫して右肩上がりで増えており、2013年度はついに40兆円を突破。この10年だけでも年間10兆円近く増えた(厚生労働省調べ)。今後、ますます高齢化の進展が見込まれる中で、さらなる負担増が見込まれる。

こうした医療費の増加を少しでも抑えるため、注目されているのが価格の安いジェネリック医薬品の活用だ。特許の有効期間が切れた新薬と同じ有効成分で作られ、価格は新薬の約2〜6割とされる。「後発薬」とも呼ばれる。

ただ、健康と身体にかかわる薬を知識のないまま、安さだけで選んでしまっていいのだろうか。11月14日(土)よる7時56分からTBSテレビで放送する「ジョブチューン★女医ぶっちゃけSP★」に出演する薬剤師の堀美智子さんは、薬剤師歴39年のキャリアを持ち、日本薬業研修センター医薬研究所の所長も務める。薬剤師の育成や能力向上に取り組む堀さんが語った、薬のさまざまな裏側をお伝えしよう。

安くても成分は同じではない?

ジェネリック医薬品は、特許の有効期間が切れた新薬とまったく同じ効果があると思われているが、実はそうともいえないことをご存じだろうか。

例えばA社の開発したBという名前の特許切れ新薬を、C社がDという名前のジェネリック医薬品として開発して、販売しているとする。そのとき、BとDが同じなのは「主成分だけ」。製法に関する特許とは別なので、BとDはまったく同じ薬ではない。

基本的に主成分が一緒だと、薬の効き目が大きく変わることはない。ただ、これまでBを飲んでいた人がCに替えたときに、人によっては主成分以外の成分が体質に合わず、効果に違いが出ることもあるという。「ジェネリック医薬品に切り替える時には、お試し期間を作ってから本格的な服用をし始めるのが理想的」と堀さんは話す。

このお試し期間を経て、効果などが既製品と違いがないことが確認できたら、ジェネリック医薬品に切り替えたほうが、薬代を安くすることができる。服用する薬を決める際は、きちんと医師と薬剤師に相談することが大事だ。特に持病の薬など、長く付き合わなければならない薬になると金額もそのぶん大きくなってしまう。初めて処方されるときには、最初からジェネリック医薬品を選ぶようにするとよいだろう。


そのほかにも、ジェネリック医薬品のメリットがある。それは既成の医薬品よりも飲みやすくアレンジをしているモノが多いということだ。苦かった成分をコーティングして苦みを抑えていたり、最近では、より飲みやすいように、口の中でさっと溶けるようになっていたり。小児用の薬以外にも「いちご味」や「ヨーグルト味」、また「抹茶」「梅」などの味付きの薬も出ている。

梅風味の薬では、おかゆやみそ汁などに入れて飲むことも想定されており、それらの食品と相互作用がないかといったことも検証されている。

子どもが突然熱を出してしまって、ちょうど家の子ども用の薬が切れてしまっている――。こんな経験はないだろうか。このような時には大人用の薬を、半分にして飲ませているという人も多いだろう。また、たとえば鼻が詰まってつらそうだからと、点鼻薬など、飲み薬ではないといって大人用の薬を乳幼児に使用することを考え付いたり、実際に投薬していたりするケースもあるかもしれない。

これは堀さんに言わせると「まったくの間違いで危険な行為」だ。大人の体には、薬の成分が脳に入らないように防ぐ「ブラッドブレインバリア(BBB)」という関所のようなものがあるのだが、子どもは、その機能がまだ発達しきっていない。

つまり、大人用の成分が入った薬を使用すると、脳中に成分が入り意識障害など中枢の副作用を起こす危険もあるのだ。子どもには子ども用の成分が入った薬があるので必ずそれを使用するようにしなければならない。

医師から処方された薬は、処方された本人以外の使用は避けるべきだ。服用する薬が身体に合わない場合には、薬剤師にきちんと相談すべきである。薬剤師が医師と協議し、適正な薬の選択してくれる。本来、薬は医師や薬剤師といった専門家の判断に沿って処方されている。素人的な考えでよかれと思ってやった行為で、取り返しの付かない事態になってしまうことだけは避けたい。





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