入所者転落の老人ホーム系列 都内施設の事故 6割が未報告

入所者三人が転落死し川崎市の有料老人ホームと同じ系列の東京都内の四十施設で、容体急変による救急搬送や虐待などの事故が二〇一〇年以降の五年間に七百十四件あったことが、都の調査で分かった。介護保険法に基づく区市町村への報告義務に対し、少なくとも六割の四百三十九件が未報告だったという。

都は十三日、事故の再発防止策や事故報告などに不備があるとして、系列施設を運営する「積和サポートシステム」(中央区)に対し、同法に基づく業務改善勧告を出した。

川崎市の施設での転落死事故を受け、同社や親会社「メッセージ」(岡山市)が都に提出した資料を基に調べた。二〇一〇年一月~今年八月にあった事故は多い順に、徘徊(はいかい)二百八十二件▽骨折・打撲・ねんざなど百六十五件▽容体急変による救急搬送八十九件▽異物の誤飲など七十七件-など計七百十四件。

入所者が六十一人死亡していたことも判明。都は指針で、死亡など重大事故を都に報告するよう求めているが、死亡者数のうち四十一人は報告されていなかった。

都福祉保健局は「本社と各施設との情報共有や情報交換が不十分だった」と指摘し、来月十四日までに改善報告書を提出するよう求めた。

積和サポートシステムの岩本隆博社長は、都庁で改善勧告書を受け取り「一連の事故で迷惑をかけ心からおわび申し上げる。勧告を真摯(しんし)に受け止め、できるだけ早く変えようとする姿が入居者に伝えられるよう取り組みたい」と説明。事故が未報告だったことに関しては、「隠したということではなく、本社の関与が少なく報告のプロセス管理が甘かった」と報道陣に釈明した。




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