高齢ペットにも余生を 岐阜の団体運営「老犬ホーム」

獣医学の進歩やペットフードの充実でペットの長寿化が進み、飼い主に先立たれたり、施設に入るため面倒を見てもらえなくなったりするケースが問題となっている。そんな中、「殺処分だけは避けたい」と、ペット向けの介護施設がじわじわと増えている。岐阜県富加町で一般社団法人「ジャパンアニマルホスピス」(岐阜市)が運営する老犬ホームもその一つ。行き場を失った高齢の犬たちを預かり、スタッフが最期まで世話している。

建物に近づくと「ワン、ワン」と鳴き声が聞こえる。ただ、よく見ると、柵の向こうにいる犬たちは寝転んだまま。「ここにいる犬はみんな10歳以上。人間で言うと70歳以上です」。同法人代表理事の山口常夫さん(64)が説明する。

ビーグルやコーギー、プードルなど11匹が預けられており、建物内は冷暖房完備。床には浴室マットが敷かれている。

人間同様、犬も年を取ると体力や機能が低下する。尿結石、糖尿病、認知症…。病気の犬は動物病院に連れて行き、流動食を食べさせることも。スタッフの上村智恵子さん(42)は「手遅れにならないよう、体調の異変を見逃さないようにしています」。敷地内には段差も。つまずいて転ばないよう、安全なルートを選んで移動するという。

「犬も介護が必要になるときがくる」。そう考えた山口さんは2010年から、理事長を務める日本動物介護センターで預かりを始めた。13年に一般社団法人を設立し本格的に老犬ホームの運営に乗り出した。入所にかかる費用は、入居金(18万円)と月3万円の管理費。予防接種や治療費は別途請求する。犬の寿命は14、5歳。毎年10匹ほど預かるが、1年ほどで多くの犬が死ぬ。

飼えなくなった犬はまず、動物愛護センターや保健所などに持ち込まれるが、老犬は新たな引き取り手を見つけることが難しい。残された家族らが老犬ホームの費用を負担できないと言えば、殺処分される。

環境省によると、営利目的での動物の「保管」や、飼い主から引き取り飼育する「譲受飼養業」などをする場合は、都道府県などに動物取扱業の登録が必要。老犬ホームは、ペットホテルなどを含む保管と、譲受飼養業の両方で届けられているため正確な施設数は把握できていないが、年々増えているとみられる。

山口さんは「みんな命あるもの。できる範囲で助けたい」と話している。




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