宇都宮vs浜松「餃子戦争」は意外な形でノーサイドに?

2007年に浜松市が独自調査を基に餃子消費量日本一に名乗りでたことから、宇都宮市と浜松市との間で勃発したとされている「餃子戦争」。総務省が発表する家計調査で、10年までは宇都宮が15年連続1位の座に君臨し続けたが、2011年、ついにその座を浜松に譲り渡し、「餃子戦争」は大変な盛り上がりをみせた。

2年後の13年に首位を奪還した宇都宮だったが、2015年にはまたしても浜松に僅差で敗北。駅前で餃子像が見守る「餃子の街」宇都宮に、暗雲が立ち込めている。

しかし、2015年3月3日付の朝日新聞朝刊で、「宇都宮餃子(ギョーザ)会」会長の鈴木章弘事務局長がまさかの「もうこだわりません」宣言。餃子戦争にとうとう終止符が打たれたのかと、ネット上が一時騒然となった。

熾烈(しれつ)な争いをみせてきた宇都宮と浜松だが、他県の人たちはどう思っているのだろうか?

楽天トラベルが全国47都道府県、全国の人気旅めしを調査した「旅めしランキング」によると、実際に現地を旅した人が最もおいしかったと選んだ旅めしは、栃木県では「餃子」が、静岡県ではなんと、「桜海老のかき揚げ」が1位に選ばれているのだ。ちなみに「浜松餃子」は4位だった。

1990年から始まった宇都宮の餃子を使ったまちおこしは、観光協会がギョーザマップを作ったり、ギョーザ店が集まって宇都宮餃子会を発足させたりと、これまでさまざまな活動を行い、街を盛り上げてきた。その成果なのか、「餃子の街」または「ギョーザの街」で検索すると、上位のほとんどを宇都宮が占めているほどだ。今や「餃子の街といえば?」と聞かれたら、「宇都宮」と答える人が大半だろう。

そんな宇都宮に戦いを挑んだ浜松だったが、05年に浜松餃子学会を発足し、2007年から「餃子の街」として売り出しスタートと、宇都宮に後れを取っていることは否めない。ゆえに「餃子の街」として定着するためには、餃子消費量日本一の座を明け渡すわけにはいかない。浜松餃子学会は、来年1月に発表される家計調査でも、1位を目指すとやる気をみせている。

ところが、ライバル宇都宮は、佐藤栄一市長が「順位にかかわらず、引き続き関係団体や市民と一体となって『餃子のまち うつのみや』を盛り上げていきたい」とコメントしており、順位にこだわる餃子戦争から一歩引いた姿勢を見せている。このまま餃子戦争はノーサイドとなるのだろうか。

こうした都市間の争いは、他の食品ではみられない現象で、宇都宮市の宣言を残念に思う人も多いという。浜松餃子学会も、「両市を元気にし、他の餃子ご当地を元気にし、日本を元気にする重要かつ楽しいバトルなのです」と、両市にとって活性化のいいキャンペーンだとする向きもある。

餃子戦争によって「餃子の街」の知名度は確実に高まったはずだ。このまま本当に終わらせて良いのか、来年に向けて、両市の動きから目が離せなくなりそうだ。




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