<療養費詐欺>保険証690人分を悪用…患者役に報酬

指定暴力団住吉会系組長らが接骨院の療養費を不正受給していた事件で、東京都杉並区の接骨院や都内の医院、千葉県の歯科医院など計7カ所の診療所で2009年5月から5年間にわたり不正請求が繰り返され、延べ約690人の「患者役」の保険証が悪用されていたことが捜査関係者への取材で分かった。逮捕された暴力団組員の知人や家族のほか、組員らから報酬を持ちかけられた者などが患者役になっていた。警視庁組織犯罪対策4課は組織的な不正受給の全容解明を進める。

同課は6日、共謀して療養費をだまし取ったとして、住吉会系組長、三戸慶太郎(49)=東京都新宿区西新宿▽接骨院の運営会社役員、尾高仁(35)=埼玉県熊谷市上川上▽コンサルタント会社役員、早川和男(38)=東京都江東区枝川=の3容疑者や住吉会系組員、柔道整復師、療養費を代行申請していた会社の社員ら計14人を詐欺容疑で逮捕した。

逮捕容疑は11年8月から13年6月ごろにかけて、杉並区の接骨院(既に閉鎖)で、知人らの保険証を悪用して架空の施術記録を作成し、柔道整復師の診療報酬にあたる療養費を渋谷区など4自治体に請求。現金約45万円をだまし取ったとしている。三戸、早川、尾高容疑者が不正を主導したとみられ、三戸、早川両容疑者は容疑を否認。尾高容疑者は容疑を認めているという。

一連の不正請求でだまし取られた療養費や診療報酬の総額は計約1億2000万円に上り、同課は暴力団の資金源になっていたとみている。

捜査関係者によると、杉並区の接骨院は三戸容疑者が実質的に経営。この接骨院だけでも約300人の患者役を集めて不正請求を繰り返し、自治体や健康保険組合など約90機関から計約2450万円を詐取した疑いがあるという。患者役には逮捕された組員らの知人や家族のほか、報酬を約束して勧誘された者などがいた。

尾高容疑者は昨年11月、毎日新聞の取材に「(杉並区の接骨院に)自分の会社から柔整師を派遣していただけで、経営には関わっていない」と事件への関与を否定していた。




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