「先天性風疹症候群」の症状と、風疹の予防接種でこれだけは注意すべきこと

産婦人科の医療現場を描いた医療マンガ「コウノドリ」がドラマ化され、主人公の鴻鳥サクラを綾野剛さんが好演しています。30日放送の第3話では、「妊婦の風疹」がテーマ。放送を前にした28日には、綾野さんが白衣姿で厚生労働省を訪問し、塩崎恭久厚生労働相と対面。風疹の予防啓発とドラマをPRしました。

風疹は、免疫のない妊娠初期の女性(とくに妊娠3か月以内)がかかると、風疹ウイルスが胎児に感染し、出生児に「先天性風疹症候群」と総称される障がいを引き起こすことがあるため、女性はもとより、その家族も風疹予防のワクチン接種が重要です。「先天性風疹症候群」の症状について、また予防接種を受ける際の注意事項についてご紹介しましょう。

◆先天性風疹症候群の症状とは

先天性風疹症候群の3大症状としては、先天性心疾患、難聴、白内障があります。またほかには網膜症、肝脾腫、血小板減少、糖尿病、発育遅滞、精神発達遅滞、小眼球等多岐にわたる障がいです。これらすべてをもって生まれてくるわけではなく、1つもしくは2つだけ、という場合もあります。

◆出生年で推測できる自分の抗体

2013年度の国の調査では、20〜40代の男性のうち12.3%が風疹への抗体を持っていないということがわかっています。この数字はほかの年代の男性、また女性に比べてとくに高い割合です。

このような差があるのは、風疹が流行し自然に感染していた人が多かった時代と、中学校で定期予防接種を実施していた時期とそうでない時期があるためです。風疹にかかったり、予防接種を受けた覚えがない場合は、以下の出生年で確認しておきましょう。

〜出生年で確認〜

・昭和37年4月1日以前生まれ

定期接種はなかったが、大半の人が自然に感染して免疫がある世代

・昭和37年4月2日〜昭和54年4月1日以前生まれの男性

女子は中学校で集団接種が実施されていましたが、男子は行われていないので、免疫がない人が多い世代

・昭和54年4月2日〜昭和62年10月1日生まれの男女

中学生のときに男女ともに個別に医療機関で予防接種を受ける制度になったため、接種率が下がり、免疫がない人が多い世代

・昭和62年10月2日〜平成2年4月1日生まれの男女

男女とも幼児期に予防接種を受ける対象となったため接種率は比較的高いものの、自然に風疹に感染する機会が減っている時代のため、接種を受けていないと免疫がない場合が多い世代

風疹にかかったか、予防接種を受けたか、とにかく曖昧な記憶しかない場合は、予防接種を受けてしまっても大丈夫です。再度となっても特別な副反応がおこることはなく、逆に風疹に対する免疫をさらに強化する効果が期待されます。抗体の有無を調べる風疹抗体価検査(血液検査)を受けることも可能です。ここで十分な抗体が確認できれば、予防接種も必要なくひと安心です。

◆知らない間にかかっている場合も

風疹は「3日ばしか」とも呼ばれ、赤い発疹(ほっしん)が顔や全身に出るほか、目の充血、咳、耳の後ろのリンパ節の腫れ、38℃以上の高熱などの症状が出ます。風疹の潜伏期間は2〜3週間(平均16〜18日)ですが、ウイルスに感染してもこのような症状が出ないまま免疫ができてしまう人が罹患者のおよそ15〜30%程度いると言われています。しかし、このような人でもくしゃみや咳などで「飛まつ感染」するため、本人も気がつかないうちに、家族や職場で感染を広げてしまう恐れがあるのです。

◆女性のワクチン接種、これだけは注意したいこと

妊娠中は風疹ワクチンの予防接種は受けられません。

妊娠出産年齢の女性が風疹ワクチンの接種を受ける場合は、妊娠していない時期、それも生理中かその直後がより確実です。またワクチン接種を行った後2か月間は、避妊が必要です。

妊娠中に風疹ワクチンの接種を受けたために胎児に障害がでた、という報告は世界的にもないのですが、その可能性が完全に否定される証明もないのが現状です。

もし妊娠が発覚してから、風疹ウイルスに免疫がないことがわかった場合には、同居家族が予防することが大切です。

また近年こうして風疹が再び流行している要因として、海外の流行地域から持ち込まれたことが挙げられています。海外旅行や人混みは避け、不要不急の外出は控えましょう。

監修:岡本 良平(医学博士、東京医科歯科大学名誉教授)

<参考>

国立感染症研究所 『先天性風疹症候群』
厚生労働省 『風しん感染予防の普及・啓発事業』




http://news.goo.ne.jp/article/mocosuku/life/mocosuku-20151102183608748.html