川内に特養"帰還の支え" 震災後初開所、復興へ若い力奮闘

社会福祉法人千翁福祉会(佐川文彦理事長)が川内村に建設していた「特別養護老人ホームかわうち」が、同村上川内に開所した。東日本大震災後、双葉郡内への特別養護老人ホーム新設は初めてで、福祉環境の充実に伴う住民帰還の加速化が期待される中、施設では村の復興に向けて帰還した若い力が奮闘を始めた。

「裁縫が得意なんですか、服がほつれたら縫ってもらおうかな」。介護員として勤務する鈴木雄登さん(20)=川内村=は入所した車いすのお年寄りに顔を近づけ、笑顔で語り掛けた。1日の同施設の開所に合わせ、8月に避難先のいわき市から古里に戻った。

中学校の卒業式直後、東日本大震災に遭った。その後の原発事故で村は全村避難を決定。避難生活中は入学が決まっていた富岡高で福祉を学び、卒業後はいわき市のグループホームに就職。介護は中学校の就業体験でデイサービスを経験し「将来やってみたい」と目標にしていた仕事だった。

グループホームに慣れ始めたころ、古里にできる特別養護老人ホームの話を聞いた。いわき市は村に比べて買い物場所も多く、生活には便利だったが、村の施設への転職を決めた。「村のゆったりとした雰囲気の方が自分のペースに合う。村に戻って働きたい」と思うようになったからだ。

同施設職員38人のうち16人が村出身で、鈴木さんのように避難先の施設からの転職組も多い。入所が決まっている59人の約3分の1も村民だ。鈴木さんの今の目標は介護福祉士の資格取得。「誰もが入りたいと言う施設にするため、頑張りたい。それが村の復興にもつながると思うから」と前を向く。




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