八方ふさがり防衛省 「辺野古移設」絶対無理なこれだけの理由

国と沖縄県の対立が激化している米軍普天間基地の名護市辺野古沖の移設問題。民主主義の基本にのっとり、きちんと手順を踏んで埋め立て工事の承認取り消しを決めた沖縄県に対し、国は一切の説明をスッ飛ばして工事に着手した。安倍政権は、このままイケイケドンドンで工事を進められると思っているのだろうが、大間違い。国・防衛省はどう転んでも絶対、辺野古沖に基地は造れない。

「楽観的なことを言うわけではないが、焦っているのは沖縄防衛局。八方ふさがりの状態だ」

30日、参院議員会館で開かれた「ストップ!辺野古埋め立て工事の強行、許さない」と題した緊急集会で、沖縄平和市民連絡会の北上田毅氏がこう言った。

現地で抗議活動を続けている北上田氏は、沖縄防衛局が工事着手した10月29日、一斉に「本体着工」と大々的に報じた新聞・テレビの見方を否定。「本体工事ではなく、実際は(陸上の)米軍兵舎解体工事の片付け作業が始まっただけ」と言い、本体工事=辺野古沖の埋め立て工事は「翁長知事があらゆる知事権限を駆使すれば絶対できない」と断言したのである。

北上田氏によると、例えば、本体工事前に海底に投下される汚濁防止膜設置に必要な「岩礁破砕許可」を知事が認めないことで、「沖縄防衛局はニッチもサッチもいかなくなる」という。計画は、幅約2500メートル、高さ7メートルの防止膜を海中に張るものだが、固定するために1個当たり57トンのブロックを102カ所に沈める予定だ。希少なサンゴ礁を破壊する可能性が高いため、当然、県知事の許可が必要。これを翁長知事が突っぱねたら国はたちまち立ち往生だ。

このほか、埋め立て部分のサンゴ礁移植のための「特別採捕許可」や、工事内容や施工順序を変更する場合に申請が必要な「設計概要変更」を一切承認しない――などの方法もあるという。つまり、翁長知事が徹底抗戦すれば「困り果てるのは沖縄防衛局」(北上田毅氏)なのだ。

さらに沖縄防衛局は県だけじゃなく、名護市との間でも本体工事に必要な手続きが何ひとつ終わっていない。例えば、工事予定地の米軍キャンプ・シュワブ内は「美謝川集落関連遺跡群」が見つかっており、市が埋蔵文化財の試掘調査を始めたばかり。今年2月には、琉球王国時代の船が木製の碇を沈めるために使った「碇石」が海底で発見された。今後、埋め立て予定地全域の海底調査も計画されているといい、文化財保護法では調査完了前の工事着手はできない。仮に水中遺跡でも発見されれば工事どころじゃない。取りやめの可能性だって出てくるのだ。

こりゃあ、辺野古沖の本体工事どころか、陸上の仮設道路の設置だってムリだ。だから沖縄防衛局は“本体工事着手”なんて大々的に宣伝して既成事実をつくろうとしているのだろうが、つくづくやり方が姑息だ。




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