防げるか、薬の違法転売=生活保護制度悪用、大量処方―把握困難、新たな取り組みも

生活保護受給者が複数の医療機関を受診して入手した大量の向精神薬を転売していたとして、マンション経営の女(55)が受給者2人とともに麻薬取締法違反容疑で兵庫県警に逮捕された。受給者は原則的に無料で医療を受けられる制度を悪用した事件だ。薬の不正取得を把握するのは困難といい、行政や医療機関は頭を抱えるが、薬局や薬剤師と協力する新たな取り組みも始まっている。

「自宅にはまだ数千錠の向精神薬があった」。京都市に住む受給者の女(31)を逮捕し、自宅を家宅捜索した同県警の幹部は、あきれたように話す。女は複数の精神科などを受診し、大量の向精神薬を入手。インターネット上で買い手を募っていた。

マンション経営の女は、この女から買い取った向精神薬などを転売していた。ほかの受給者にもメールで「余裕があったら売ってくれませんか」などと持ち掛けていたという。

受給者の収入や生活状況を監督するのは自治体の福祉事務所。京都市地域福祉課は逮捕された受給者の女について、「レセプト(診療報酬明細書)の調査を行い、向精神薬の処方はチェックしていたのだが」と困惑気味に話した。

受給者の急増で事務所職員の仕事量は限界に近い。この地域の事務所は、約4500の生活保護世帯を55人で担当。薬の転売による収入増などについて、同課職員は「把握して指導する余裕はない」と説明する。

新たな対策を打ち出す自治体も出てきた。青森市は、レセプトの確認に薬剤師を入れ、転売が疑われる処方などをチェックしている。大阪府東大阪市は、受給者ごとに薬局を決めて不要な処方を防ぐようにしている。




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