政府、公務員宿舎跡地に介護施設 首都圏に90カ所 「介護離職ゼロ」対策第一弾

政府は23日、首都圏にある国家公務員宿舎の跡地を特別養護老人ホーム(特養)など介護施設の事業者に優遇して貸し出す方針を固めた。第3次安倍晋三改造内閣の目玉政策「1億総活躍社会」の実現に向け、11月末に決定する緊急対策の柱に位置づける。高齢化の進展で特養入所待機者は約52万人に上るが、介護施設は地価の高い首都圏を中心に不足している。優遇制度で事業者側の負担を軽減し、施設の拡大を目指す。

国家公務員宿舎の跡地利用は、安倍首相が今月7日の記者会見で提唱した「介護離職ゼロ」に向けた具体策の第1弾。特養を増設して入所待機者を少なくし、親などの介護を理由に仕事をやめる介護離職者(年間約10万人)を減らしていきたい考えだ。

具体的には、介護施設が不足している首都圏の宿舎跡地を約90カ所選定。特養などを運営する社会福祉法人に優先的に格安で貸し出す。事業者が新たな施設を計画する場合、地価の高い首都圏では負担が大きく、整備をためらうケースが指摘されているためだ。

宿舎は駅近くに立地するなど利便性が高く、介護施設の建設に必要な敷地面積の広さも確保している物件も多い。跡地を売却するのではなく、原則50年の「定期借地権」を設定して賃料も優遇し、事業者の初期投資を抑える。国や自治体による現行の補助金制度も合わせ、事業者は整備負担が大きく減ることになる。

跡地の貸し出しは来年度からスタートし、首都圏以外への拡大も検討する。施設増設による介護職員の雇用増加も期待できそうだ。

国家公務員宿舎は、消費税率引き上げや、東日本大震災の復興費用を賄うための増税を控え、政府が身を削るとして平成23年12月に削減計画を発表。全国にある1万684カ所のうち、約半分の5046カ所を廃止する計画で、跡地の売却を進めている。

地元自治体などに売却するケースが見られたが、広い敷地面積が必要になる介護施設や保育所などへの跡地利用を求める声もあり、優遇措置を設けて優先的に貸し出すことにした。




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