鼻に噴霧するタイプのインフルエンザワクチンって子供も接種できる? 

今年もそろそろインフルエンザの流行が心配になる季節となりました。近年話題の、鼻にスプレーするタイプのワクチン(フルミスト)をご存じでしょうか? 予防注射と違って痛くないのであれば、子供にも接種させたいと思う親御さんも多いでしょう。小児でも安心して使えるのでしょうか?

◆経鼻インフルエンザ生ワクチンとは

フルミスト(フルーミスト)は、鼻に噴霧するタイプのインフルエンザワクチン(経鼻インフルエンザ生ワクチン)として、2003年に米国で、2011年にヨーロッパで承認されました。日本ではまだ厚生労働省の承認を受けていませんが、一部実施しているクリニックがあります。

生ワクチンを鼻に噴霧する方式なので、皮下注射と違って痛みないのが特徴です。鼻にスプレーすることで、鼻粘膜に直接免疫を作ることができます。インフルエンザウイルスが侵入する経路となる鼻腔で免疫を作るため、発症予防効果が高いのです。

ワクチンの有効期間も長く、約1年間効果が持続します。いわゆる予防注射として接種するのは不活化されたワクチンで、有効期間は4か月ほどです。米国では、特に2歳〜8歳の間は注射より経鼻インフルエンザ生ワクチンが推奨されています。

なお、注射型不活化ワクチンは生後6か月から接種できますが、経鼻インフルエンザ生ワクチンの適応は2歳以上〜50歳未満となっています。日本での経鼻インフルエンザ生ワクチンの費用はクリニックによって異なりますが、5000円〜1万円程度のところが多いようです。

◆年齢別予防効果比較

経鼻インフルエンザ生ワクチンの効果は、大きく分けて「2〜7歳」「8〜13歳」「13〜49歳」で傾向が異なります。経鼻タイプと注射タイプのワクチンの年齢別の効果を見てみましょう。

【2〜7歳】
経鼻インフルエンザ生ワクチンは80〜90%の発病予防効果あり。注射型不活化ワクチンは20〜30%の効果で、圧倒的に経鼻タイプが優れています。

【8〜13歳】
注射型不活化ワクチンが流行の型と一致した場合は、経鼻インフルエンザ生ワクチンとの効果は同等。型が合わない場合は経鼻タイプのほうが効果があると言われています。

【13〜49歳】
型が合えば注射型不活化ワクチンのほうが効果が高いと評価されています。型が合わなければ経鼻インフルエンザ生ワクチンのほうが効果があるようです。

◆型の影響が小さい経鼻タイプ

上記の傾向から、注射型不活化ワクチンは、そのシーズンにワクチンと流行のインフルエンザの「型」が合うかどうかが重要である一方、フルミストは型の影響をあまり受けないことがわかります。

特に、これまでは子供では不活化ワクチンのB型インフルエンザに対する抗体の効きがよくないのですが、経鼻インフルエンザ生ワクチンはB型に対しても十分な効果が期待できます。

今年から注射型不活化ワクチンもフルミストもB型インフルエンザの2種類の抗体が入るようになりました。B型に対する効果がどうなるかが注目されるところです。

◆経鼻タイプの注意点

前述したように、日本ではまだ経鼻インフルエンザ生ワクチンは厚生労働省の承認が下りていません。従って、基本的には自己責任での接種になります。経鼻インフルエンザ生ワクチンの長所と短所をまとめると、次のようになります。

【長所】
(1)不活化ワクチンより効果が高い
(2)有効時間が長い(1年間)
(3)注射嫌いの子供にも使いやすい
(4)1回接種で済むことが多い

【短所】
(1)米国からの輸入品で接種期間が短い(製造後4か月以内)
(2)生ワクチンであるため接種後数日間、風邪のような症状が出る
(3)2歳未満、50歳以上は接種できない
(4)問題が起こった時に補償が期待できない(国内の救済制度を利用できない)
(5)接種費用が注射より高い

そのほか、喘息を指摘されたことがある人や喘息発作を起こしたことがある人、心臓・肺・肝臓の疾患・糖尿病・貧血・神経疾患など慢性疾患を持つ人、免疫不全者と接触する人、重度の卵アレルギーの人、妊婦またはその可能性のある人は受けられません。

経鼻インフルエンザ生ワクチンも注射型のワクチンも一長一短があります。子供の予防接種は大人の判断で受けさせるものですから、よく考えてから利用したいですね。また、ワクチン接種も大事ですが、日頃の手洗いやうがい、食事などの健康管理を怠らないことが大切です。

<参考>
『横浜市衛生研究所「インフルエンザワクチンについて」』




http://news.goo.ne.jp/article/mocosuku/life/mocosuku-20151021124718147.html