原発事故対策 県、ヨウ素剤配布開始 東海村の全世帯完了まで時間も

日本原子力発電(原電)東海第二原発の事故に備え、県は十八日、甲状腺の内部被ばくを防ぐ安定ヨウ素剤の事前配布を原発のある東海村で始めた。村内の配布対象は一万六千世帯の三万八千四百六十七人で、初日だけで二千八百九十人分を手渡した。一方で、ヨウ素剤を受け取るために必要な説明会に出席していない村民は全世帯の三分の二以上にも上る。当初、予定した説明会はあと一回で、県は来年も継続して開く考えだが、全世帯に配布するまでには、まだ時間がかかりそうだ。 

国の指針に基づき、県は原発からおおむね五キロ圏内の予防的防護措置準備区域の住民を対象に、ヨウ素剤の効果や服用の仕方などを説明した上で事前配布する。今回の配布対象は東海村全域と那珂、日立両市の一部地域の住民で計約六万六千百人。

県は十日から村内で、薬剤師による説明会を十三回開いたが、出席者は世帯の代表ら約五千百人と対象世帯の三分の一未満にとどまる。会場を訪れたのは親子連れなど若い世代が中心で、県薬務課の担当者は「以前、国の基準で四十歳以上の服用が認められていなかったため『大人は飲まなくていい』と思い込んでいる村民が多いのかもしれない」と推測する。県は那珂、日立両市で配布後、来年三月以降に東海村で再度、説明会を開く予定だ。

この日は、村内三カ所でヨウ素剤を配布した。会場の舟石川コミュニティセンターには、早朝から村民が詰め掛けたため、配布開始時間を繰り上げた。会場では、薬剤師がアレルギー反応や既往歴の有無を書き込んだチェックシートを確認し、県職員らが村民にヨウ素剤を手渡した。

派遣社員の高橋重昭さん(78)は「事故が起こることは想定していないが一応、持っておくだけで安心」と話した。八歳の長男を連れて受け取りに来た主婦の佐藤朋美さん(40)は「なぜ今、配布するのか疑問。東海第二原発の再稼働が頭をよぎった。できれば使わないことを願いたい」と不安ものぞかせていた。




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