エルサレムの「聖地」めぐり宗教対立激化 イスラエルへの反発拡大

エルサレム旧市街のユダヤ教とイスラム教の聖地「神殿の丘」をめぐる争いをきっかけとしたユダヤ人とパレスチナ人の対立が深まっている。新たなインティファーダ(反イスラエル闘争)に発展する恐れもある。

緊張状態は旧市街からパレスチナ自治区ヨルダン川西岸地区やガザ地区にも拡大している。AFP通信によると、ヨルダン川西岸の検問所で十一日、パレスチナ人の女が自動車を使った自爆テロを起こし、イスラエルの治安部隊員一人がけがを負った。

イスラエル当局は十日、ガザからロケット弾攻撃があったと発表。報復としてイスラエル軍が十一日にガザを空爆し、二歳の幼女とその母親が死亡した。

このほか、パレスチナ人による抗議活動やユダヤ人襲撃が相次いでいる。イスラエル政府は治安閣議で、ユダヤ人への襲撃犯が多い東エルサレムを封鎖できる権限を治安当局に与えることを決定。治安部隊は十四日、検問所を増設し始めた。パレスチナ側の反発は必至だ。

対立の元となっている「神殿の丘」は、歴史的経緯から現在、イスラム教徒だけに祈りをささげる権利が認められている。しかし不満を抱くユダヤ人活動家が現状変更を求めている。こうした状況に、騒動を防ぎたいイスラエル当局の動きも絡み、聖地は常に争いの種となっている。パレスチナ自治政府のマルキ外相は十二日「(イスラエルのネタニヤフ首相は)インティファーダを扇動したいと思っている」と主張した。

インティファーダは一九八七年と二〇〇〇年に発生。イスラエルとパレスチナが激しく対立した。双方の政府は緊張拡大を阻止したい姿勢だが、ガザを実効支配するイスラム主義組織ハマスは「第三次インティファーダ」を呼びかけているという。




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