欧州では生活必需品は低率定着 食料品0%も

消費税率が10%に引き上げられた場合に、生活必需品の消費税率を8%に据え置く軽減税率制度が与党税制協議会で検討されることが固まった。だが、軽減税率を古くから導入してきた欧州には食料品の税率が0%の国もあり、8%のみを前提とした日本の軽減税率の議論には疑問も残る。

日本の消費税に該当する付加価値税について英国では標準税率が20%だが、食料品は軽減税率が適用され0%となっている。オーストラリアやカナダ、メキシコなども軽減税率で食料品の税率を0%としている。

欧州連合(EU)加盟国の標準税率は軒並み20%以上で、現在8%の日本より大幅に高く設定されている。一方、消費者への配慮から食料品を5%前後に設定している国が少なくない。

日本で軽減税率制度が注目されるようになったのは、税率5%だった消費税を増税する関連法が成立した二〇一二年(民主党政権時)。この時、法律に「複数税率(軽減税率)などの導入を検討する」と明記された。

しかし、政権復帰した自公両党は「消費税率10%引き上げ時に制度導入を目指す」(一三年度税制改正大綱)として税率8%に増税したときには軽減税率導入を見送った。さらに税率を10%にする場合も、税収が減ることを懸念して生活必需品の税率を8%に据え置く軽減税率を暗黙の了解として議論を進めてきた。

財務省は今年五月、対象品目について▽酒を除く飲料・食料品▽生鮮食品▽精米-の三案を提示。軽減幅が2%の場合、税収が一兆三千億~四百億円減るとの試算を出し8%を前提に作業を行っていた。

社会保障費の財源が大きく減少する懸念から政府・与党とも「8%に据え置き」が既定路線となり、それ以下の税率は議論に上った様子はない。

そもそも予定通り一七年四月に消費税率が10%に引き上げられるかも現時点では分からない。安倍晋三首相は「リーマン・ショックのようなことが起こらない限り予定通り実施する」と述べているが、日本経済の状態によっては、国内消費を大きく減速させる消費税増税が再延期される可能性も否定できない。 




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