消費者物価指数マイナスのウソ 「生鮮食品」急騰が家計を直撃

日銀の黒田東彦総裁は、「2%の物価上昇」を達成するまで、金融政策の手を緩める気はない。「2%」のターゲットは、コア消費者物価指数(コアCPI=生鮮食品を除く指数)で、8月は0.1%のマイナスだった。黒田総裁は「(コアCPIが)水面下に沈んでいるのは、エネルギー価格の下落によるもの」と言い、今後、原油価格が反転すれば、物価上昇は間違いないと主張している。

だが、庶民感覚ではすでに物価はかなり上昇している。

「コアCPIは生活実感とかけ離れています。生鮮品は、気候の影響を受けやすく、価格の変動も激しい。政府や日銀が数値目標から除外するのは分かりますが、この数カ月間は、毎日の食卓に上る野菜や肉、魚は凄まじい値上がりです。ここを無視してはダメでしょう」(株式評論家の倉多慎之助氏)

■ビーフカレーを作れば出費は2割増

6~8月の生鮮食品は7%を超える物価上昇だった。品目別(8月)では、キャベツが前年同月比で29.2%増、レタスは21.6%増、えだまめも24.2%増だ。

家庭の定番、カレーライスを作るのに必要なじゃがいも(33.5%増)、にんじん(16.2%増)、たまねぎ(22.3%増)、牛肉(8.5%増)は軒並み値上がりで、カレールーも18.5%アップした。単純計算すると、ビーフカレーの食材費は昨年より20%高くなった。

ランチにスパゲティ(10.6%増)をゆでて、市販のパスタソース(11.8%増)をかけると、昨夏より10%以上も出費がかさむ。デザートのメロン(9.1%増)、もも(13.1%増)も上昇だ。

「生鮮品の値上がりは、アベノミクスが進めた円安と無縁ではありません。野菜は天候不順で輸入品が増えた。昨夏より円安は進行しているので、小売価格も上昇です。輸入農薬の値上がりも響いています」(市場関係者)

昨年8月のドル円相場は1ドル=102円前後。現在の120円水準より、20円近くも円安は進行したのだ。

「日銀の追加金融緩和を期待する声が出ていますが、これ以上の円安は庶民生活を直撃します。円安に直結する“黒田バズーカ3”は封印すべきでしょう」(倉多慎之助氏)

サラリーマン生活はコアCPIより、生鮮食品の値段のほうがずっと大事だ。




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