<辺野古承認取り消し>「やっとこの日が」県民、期待と不安

「やっとこの日が来た」「これからが本当の闘いだ」。米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の県内移設阻止に向け、同県の翁長雄志(おながたけし)知事は13日、名護市辺野古沿岸部の埋め立て承認の取り消しを正式決定した。翁長知事が移設反対を掲げて昨年11月の知事選に当選してからほぼ1年。承認取り消しを待ち望んできた移設反対派の県民らからは決断を喜ぶ声が次々と上がった。一方で本当に工事を止めることができるのかと不安視する声もあった。

「政府を相手にすることが簡単でないことはよく分かっている。政府が埋め立てをどう進めてくるか分からないが、新辺野古基地は造れない」。午前10時から県庁で承認取り消しの会見に臨んだ翁長知事は、詰めかけた報道陣に対して決意を語った。

移設先の辺野古の米軍キャンプ・シュワブのゲート前では移設に反対する県民らが抗議の声を上げた。知事の承認取り消しの正式決定が伝えられると、拍手や歓声が沸いた。しかし辺野古の埋め立てを強行する姿勢を崩さない政府との対立が長期化するのは必至で、ゲート前で座り込んできた県民たちは口々に抵抗を貫く決意を語った。

沖縄本島南部の八重瀬町の病院職員、神谷栄子さん(58)は「これからが私たちの踏ん張りどころ。辺野古に基地が造られてしまえば、沖縄はもう日米両政府の要求を拒否することができなくなる。覚悟を決めて知事を支えたい」と力を込めた。沖縄本島中部のうるま市の伊波義安さん(73)も「知事の判断が延びていたのでやきもきさせられたが、やっとこの日を迎えることができた。今まで以上に強く抗議の声を上げたい」と話した。

政府との攻防が正念場を迎え、抗議に参加し始めた人も多い。仕事の合間を縫って今月に入って初めてゲート前に足を運んだ那覇市の会社員、金城修さん(41)は「今声を上げないと後悔する。沖縄の民意を選挙だけでなく、さまざまな行動で示したい」と話した。県外からの参加者も多く、静岡市の稲葉博さん(65)は「沖縄だけでなく基地負担を押しつけてきた日本全土の問題だ」と語った。

一方、国は法的な対抗手段を講じてくるとみられ、取り消し決定によって移設工事を止められるかどうかは不透明だ。沖縄本島中部の金武町の比嘉定正さん(64)は「法廷闘争で裁判所にきちんと沖縄側の主張を聞いてもらえるかどうか分からず、承認取り消しだけでは工事を止めることはできないかもしれない。私たちは座り込みを続けて抵抗を貫くしかない」と厳しい表情を見せた。

普天間飛行場の危険性除去のために辺野古移設を容認する自民党沖縄県連の具志孝助幹事長は「非常に残念。19年間取り組んだ普天間の返還がようやく動くと思ったが、取り消しで白紙に戻された」と、知事の承認取り消しを批判した。




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