籍だけ残る「幽霊生徒」の謎 授業料の無償化が影響?

連絡がとれないまま学校に籍だけ何年も残っている高校生がいる。「幽霊生徒」「籍だけ生徒」などと呼ばれ、大阪には全校生徒の1割を超える学校もあるという。彼らはどこに消えたのか。

ある大阪府立の定時制高校の男性教諭が差し出した全学年のクラス名簿には、あいうえお順に並ぶ列の下端にスペースを空けて、再びあいうえお順に生徒数人が名を連ねている。籍だけ残り行方がわからない生徒たちだ。

200人に満たない全校生徒のうち約10人と連絡がとれない。多くは1年生のままで、5年近く行方がわからない生徒もいる。

学校は生徒に連絡を試みる。電話をかけたが通じず、手紙は宛先不明で返ってきた。家庭訪問すると別人が住んでいた。「彼らが今どこで何をしているのかわからない」と教諭は言う。他校の教諭と話すと、それが同校だけの特別な存在ではないことがわかる。

別の関西の定時制高校では、連絡がとれなくなった生徒だけをまとめたクラス名簿がある。全校生徒約200人のうち約10人。教室はなく、授業の実態がない「幻のクラス」だ。担当教諭をつけて生徒の行方を捜すために設けられた。「全生徒の1割を超える」と教諭が言う高校もある。

なぜ、これほどいるのか。

教諭らが口をそろえるのは、2010年度に始まった高校授業料の無償化の影響だ。大阪府は無償化以前、府立高校の授業料の納付義務を条例化していた。生徒が長く登校せず、授業料の未払いが続けば登校の意思がないと判断し除籍処分できた。しかし国が授業料を交付するようになると、登校意思を本人や家族に直接確認せねばならないようになり、処分が難しくなった。

名目上の生徒の滞留は、学校にとって利点があるとの指摘もある。連絡がとれない生徒を在籍生徒数に加えることで、教員数を増やすことができるからだ。




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