「ぎょう虫検査」継続か廃止か?悩む自治体、国の義務本年度限り

寝起きのおしりに青いセロハンをぺたっ-。多くの人が経験のある「ぎょう虫検査」が来年度からなくなるかもしれない。「陽性率が1%以下で全員を調べる必要はない」として学校保健安全法の施行規則が改正され、必須項目から削除されるためだ。ただ、文部科学省は地域の実情に応じて継続するか判断するよう促しており、陽性率が全国平均より高めの九州の自治体は頭を悩ませている。

ぎょう虫は2~13ミリ程度の細い虫。感染すると就寝中に肛門の周りに産卵し、かゆみを引き起こして集中力の低下や寝不足、炎症につながるとされる。家庭内感染が多いため、家族全員が薬を飲んで駆除する必要がある。

文科省によると、ぎょう虫検査は同法の前身、学校保健法が1958年に制定されたのと同時に、小学3年以下で義務化された。かつては「国民病」とされ、終戦間もない49年度は小学生の陽性率が63・9%だった。その後、衛生環境の改善に伴って低下し、2002年度に1%を切った。14年度には0・1%に。こうした状況を踏まえ、15年度限りで必須の検査項目から削除することにした。

一方、陽性率には「西高東低」の傾向がみられる。東北や関東が0・1%を下回るのに対し、九州各県は福岡0・5%▽佐賀0・7%▽長崎0・5%▽熊本0・3%▽大分0・9%▽宮崎0・1%▽鹿児島0・1%。文科省も今年4月の規則改正と同時に「一定数の陽性者が存在する地域は、今後も検査の実施や衛生教育の徹底を」と通知した。

検査の継続は市町村教育委員会の判断となるが、九州の県庁所在地と政令市のうち、廃止を決めたり、廃止の方向で検討したりしているのは長崎市と鹿児島市のみ。

13年度の陽性率が0・9%だった福岡市は「専門医の意見を聞き、学校の事務負担も考慮して年明けまでに決めたい」。「検査費は1人約100円で心臓検診などと比べて安く、手間も少ない。それで異常が見つかる子もおり、無駄とは言い切れない」(熊本市)、「やめるときは慎重にしたい」(大分市)、「他の政令市の動向を見極める」(北九州市)など迷っている。

寄生虫学が専門の長谷川英男大分大名誉教授は「陽性の子をプールに入らせないなど、学校は過剰な対応をしがちで、いじめの対象になりかねず、弊害もあった。命に関わる病気ではないので、自覚症状が出たときに各自が医療機関で検査すればいい。学校は症状に伴ういらいら、爪かみなどがある児童に検査を促してほしい」と廃止を肯定的に捉える。




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