狙いやメリットは? 行政手続き簡素に、預金口座ひも付けは慎重か

Q マイナンバーを導入する狙いは

A 行政事務の効率化だ。今は、国や自治体が別々に管理している所得や納税、年金などの個人情報を12桁の番号に結び付けることで、個人情報の管理、照合が簡単に行えるようになり、行政手続きの無駄なども減らせるというわけだ。

Q どういう経緯で導入が決まったのか

A 平成19年に発覚した「消えた年金記録問題」を解決するには、年金の情報を番号1つで把握できるマイナンバーが必要だと21年に自民党から政権交代した民主党が判断したのが直接のきっかけだ。少子高齢化で社会保障費が増大し、国の財政赤字が膨らむなか、番号を使って、年金の不正受給を防いだり、税金の取りはぐれを防いだりする仕組みが必要になったのも背景だ。

Q 国民にとってどのような利点があるのか

A 所得が低い人など社会の助けが本当に必要な人を見つけて、手を差しのべたりできるようになる。現行制度では所得の正確な把握は困難だが、番号で所得が把握できれば、社会保障を必要とする人に的確にお金を届けられる。児童手当や生活保護の手続きを行う際に必要な添付書類を減らせたり、確定申告などの手続きが番号を使い簡単に行えたりする利点もある。運転免許証やパスポートを持たない学生などにとって番号が記載された顔写真入りのカードを持てば、本人確認の際に役立つ。

Q 番号は預金口座にも結び付けられると聞く

A 9月3日に成立した改正マイナンバー法で、30年1月から預金口座にマイナンバーを結び付けできるようになった。だが、実際に結び付けるかどうかは預金者の自由で、プライバシーを守るために慎重な預金者も多いとみられる。政府は33年以降の義務化も検討しているが、10億件ともいわれる預金口座すべてにマイナンバーを割り振るめどは立っていない。

Q 制度の認知度は低いようだ

A 消費税率を10%に引き上げる際の負担軽減策として、マイナンバーカードを使って増税分の一部を後で払い戻すという財務省考案の「還付制度」案で急に知名度が上がったものの、制度そのものを知らない国民はまだまだ多い。政府は、制度を知らなくても、個人の事情などに応じて自動的に利用できるサービスを知らせる仕組みの導入を検討している。




http://www.sankei.com/economy/news/151001/ecn1510010039-n1.html