がんの再発や転移は食い止められないのか?

かつては不治の病だったがんも、医療の大幅な進歩によって現在では治癒可能な病気になりつつあります。ただし、いったん治った場合でも「再発」することはあります。また、最初のがんとは別なところで再発する「転移」もしばしば起こります。こうした再発や転移はどのように起こるのでしょうか? 基本的なことをまとめてみました。

◆治療方針を立てるのに重要な原発巣

がんを発症した場合、最初に生じた部位のがんを「原発巣」(げんぱつそう)と呼びます。例えば、最初に胃にがんができて、それが肺に転移した場合、原発巣は胃がんです。この場合は、肺にがんができていますが「肺がん」ではなく、「肺に転移した胃がん」として扱います。

原発巣が胃がんである場合、転移した先のがん(転移巣)は、胃がんの細胞からできているため、胃がんの治療法を用いて肺の治療も進める必要があります。このように、原発巣が何かを知ることは治療方針を決めるうえで重要です。

がんを発見した場合は、どこが原発巣であるのか、そのがんが転移巣なのか、再発した部位はどこなのかなどが、治療方針を大きく左右します。そのため、最初に方針を決めるにあたって、医師は病理検査、CT検査、腫瘍マーカーなどの情報を基に、原発巣なのか転移巣なのかを判断します。

◆がんの再発・転移

最初の治療で、がんが完全に取り除かれていれば再発することはありません。しかし実際には、がんが発見された時点で、すでに多くの目には見えない病巣や転移があると言われています。そのため最初の治療時に、再発や転移を防ぐ目的で抗がん剤が使われることがしばしばあります。

【再発】

再発とは、がんが一度は消えたように見えても、目に見えない小さながんが残っていたり、抗がん剤治療や放射線治療で小さくなっていたがんが、再び大きくなったりすることを呼びます。治療した部位付近だけでなく、別の場所で「転移」としてがんが見つかった場合も含めて再発といいます。

【転移】

原発巣のがん細胞が別の部位に移動し、そこでがんが生じることを転移と呼びます。がん細胞がリンパ管に入ってリンパ液の流れに乗って転移する「リンパ行性転移」と、肺・肝臓・脳・骨など血液の流れが盛んな部位へ血液に乗って転移する「血行性転移」があります。また、がんのできた臓器からがん細胞が剥がれ落ち、体内で接している腹腔や胸腔に散らばるように広がることを「播種性転移」(はしゅせいてんい)といいます。

◆転移巣が先に見つかることも

原発巣が見つかる前に転移巣が見つかることもあります。原発巣では自覚症状がなく、腹部や足の付け根のリンパ節の腫れや、健康診断で肝臓にがんが見つかることがあるのです。

このような場合は、原発の可能性のある臓器を検査することになります。しかし、中には原発巣がわからない原発不明がんというものもあります。これは、検査ではわからないほど小さい原発巣のがんが転移して、転移巣のほうが大きくなった状態と考えられます。

◆再発・転移の期間

がんが発生してから再発・転移するまでの期間は、悪性度やがんの種類、また日常生活の過ごし方によっても違ってきますので、一概には言えません。

治療によって原発巣を取り除いた場合、転移があるかどうかの検査は、最初は半年後、その後は1年ごとに行います。症状が出なくても腫瘍マーカーの値が上昇してきた場合は転移の可能性があるので、より詳細な検査が必要となります。

◆がんの三次予防

がんを治療したあとに「がんの転移・再発を防ぐ」ことを「がんの三次予防」と言います。がんが命を脅かす理由は、転移や再発があるからです。病巣を取り除けば命が安全、とはならない点ががんの厄介なところです。

基本的なことですが、予防のためにはまず食生活の改善が必要です。これまでの食生活を見直して、医師のアドバイスを元に「何をどのように食べるか」を考えて実践していきましょう。かといって、我慢してばかりいるとそれがストレスになるので、気持ちに余裕をもって長続きさせましょう。

がんは早期発見・早期治療が肝心と言われますが、これは再発がんや転移がんでも同じです。異常があったら見逃さないことが重要です。面倒くさくても定期的な検査は欠かさないようにしましょう。




http://news.goo.ne.jp/article/mocosuku/life/mocosuku-20150916113332621.html