【シールズの学生】路上で声、日常の延長に 肩肘張らず「不断の努力」

勉強や部活動をするのと同じように、路上で声を上げる。肩肘張らず、できる範囲で。それが憲法の求める「国民の不断の努力」―。安全保障関連法案の反対運動をけん引する存在となった若者団体「SEALDs(シールズ)」。メンバーたちは、そんな思いで活動に取り組んできた。

一橋大2年の 正木純 (まさき・じゅん) さん(20)はデモの後、大学の課題のリポートを何とか間に合わせ、部活動では山登りもする。「普通の人が集まって声を上げ、次の日からまた普段の生活に戻ればいい。民主主義は選挙だけでは不完全なものだから」

こうした運動に関わるきっかけは、在日コリアンを敵対視する「ヘイトスピーチ」が東京・新大久保で行われたことだった。友人に在日コリアンがいたため黙っていられず、抗議行動に参加し、新大久保での街宣活動を止めることができた。

ネット上には今もヘイトスピーチがあふれ、問題は解決していない。それでも、声を上げることが社会に変化を生み出した。「ゼロか100じゃない。少しずつ変えていけばいいと気付いた」

安保法案に関しては「この日常を守りたいから」と反対する。法案は戦争に参加する道を開き、当たり前だと思ってきた日本の「平和主義」を覆すと感じるからだ。

日本大3年の 今村幸子 (いまむら・さちこ) さん(21)は「首相の名前もよく分からないこともあった」ほど、政治には関心が低かった。しかし、特定秘密保護法案に反対する官邸前の集会をテレビで見て「多くの人が怒っているのに、その思いが無視されるのは何かおかしい」と感じた。

シールズの前身の団体「SASPL(サスプル)」の存在を知り「かっこいいし、同世代の人がやっているなら」とデモに加わるように。活動を通じ、一人一人が意見表明をごく普通にする社会の方が自然だと思うようになっていった。

「就職や家計、大学の単位と同様に、政治のことも心配していく」。法案が成立しても声を上げ続けるつもりだ。

15日に行われた参院の中央公聴会。中心メンバー、明治学院大4年の 奥田愛基 (おくだ・あき) さん(23)が議員たちに語り掛けた。「私は学び、働き、食べて、寝て、そして路上で声を上げる。この国に生きる個人としての不断の、そして当たり前の努力だ」




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