「トラブルに巻き込まれたくない」佐藤ゆかり議員側が不明朗処理 業者からの100万円を5カ月後返金

自民党の佐藤ゆかり衆院議員(54)=大阪11区=が代表を務める政党支部が昨年12月、選挙区内の建設業者から100万円の現金を受け取りながら会計処理をせず、約5カ月後の今年5月に返金していたことが14日、複数の関係者への取材で分かった。同支部は業者側に領収書を発行しておらず、政治資金収支報告書にも受領・返金の記載をしていないという。佐藤氏は産経新聞の取材に「収支報告書の提出期限までに返金しており、(記載しなかったことが)法令に抵触するとの認識は一切ない」と主張。一方、専門家は「政治資金の流れをオープンにする収支報告の趣旨に反している」と指摘している。

佐藤氏は参院議員を辞職した後、昨年12月14日投開票の衆院選に大阪11区(枚方市、交野市)から出馬し当選した。

複数の関係者によると、佐藤氏は同12月27日、選挙区内にある建設業者の実質経営者の男性から、現金で100万円を受領。男性は取材に対し、当選祝い名目の企業献金として渡したとしている。この場には前大阪府議で自民党枚方市支部長の出来成元(でき・しげちか)氏(66)らも同席していた。

佐藤氏はこの100万円について、自身が代表を務める「自民党大阪府第11選挙区支部」で受け取った資金だとした上で、「当時は選挙の直後で支部の印鑑などが存在せず、領収書を発行できなかった。事務作業の遅れで未発行に気づいたのは今年4月半ばだった」と述べた。

しかし、その後も政治献金としては処理せず、5月18日になって佐藤氏が直接男性のもとを訪れ、現金100万円を返金した。佐藤氏によると、大阪府選挙管理委員会に提出済みの26年分の11区支部の収支報告書(11月に公表予定)にも記載はしていないという。

佐藤氏は会計処理をしなかった理由として「100万円は(正式な政治献金として受領する前の)預かり金という認識だった」と話した。その上で、5月に返金したのは「(枚方市支部が男性に対し)カラの領収書を発行していることを知り、トラブルに巻き込まれたくないと思った」と説明した。

一方、枚方市支部長の出来氏は「枚方市支部の領収書を出したが、佐藤氏の了解があったと認識している」と反論。双方の言い分が大きく食い違っている。

政治資金問題に詳しい神戸学院大法学部の上脇博之教授(憲法学)は「11区支部が長期間、預かりを示す書類など、何らかの受領証を発行しなかったのは極めて不適切。預かり金の計上がなければ、裏金との疑念を招きかねない」と指摘。5月の返金も「受領から約5カ月も未処理の状態では、返金ではなく寄付と見なされる可能性が高い」と述べ、選挙区内での寄付行為を禁じた公職選挙法に抵触する可能性に言及した。

建設業者からの100万円をめぐっては、佐藤氏側と、現金受領の場に同席していた関係者の言い分が対立している。

出来氏の説明によると、100万円は(1)まず自民党枚方市支部への献金として処理(2)その上で枚方市支部から佐藤氏側の団体へ献金する−つもりだった。

このため業者には、現金を受け取ったその場で、枚方市支部名義の領収書を渡した。出来氏は「佐藤氏もこの場面を見ながら現金を持ち帰った」と主張。佐藤氏も「迂回(うかい)献金」を了解していたとの認識だ。

出来氏は「その上で佐藤氏側の領収書を枚方市支部に発行してくれれば、帳簿上の問題はなかった」と釈明。だが今年に入って支部運営などをめぐり佐藤氏と対立し、現時点でも佐藤氏側の領収書はない。出来氏は「不適切な会計処理になっている」と認めた。

一方、資金提供した業者の男性は「選挙で当選したお祝いとして、会社の資金を佐藤氏に渡した。領収書は枚方市支部の名義だが、難しいことは分からない」と困惑気味に話した。




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