事件か事故か? 川崎有料老人ホーム「3人転落死」の謎と疑惑

「事件と事故、県警は両面で調べています」(捜査事情通)

川崎市幸区の有料老人ホーム「Sアミーユ川崎幸町」で昨年11~12月にかけ、入所していた当時86~96歳の男女3人が相次いで転落死した問題は“謎”だらけだ。

「2カ月の間に立て続けに3人ということ自体、ミステリーですが、3人のうち87歳の男性と86歳の女性は4階の同じ部屋のベランダから、残る96歳の女性もその真上の6階から、中庭の同じ場所に転落している。3人が転落したいずれの日にも勤務していた20代の男性職員がいますが、今年5月末に懲戒解雇に。入所者と金銭トラブルを起こしていたそうです」(前出の捜査事情通)

3人が転落したのは午前1時半~4時半ごろとみられ、いずれも遺書は見つかっていない。運営会社の積和サポートシステムは「事故と認識しています」(広報担当者)と説明するものの、ベランダの手すりの高さは約120センチで、86歳の女性は「身長150センチに満たない」(関係者)。

「男性ならいざ知らず、96歳の女性が120センチの手すりを乗り越える“腕力”があるとは思えません」と、高齢者問題に詳しい全国介護者支援協議会の上原喜光理事長がこう言う。

「統計的にみて、深夜から明け方にかけて自殺者が増える傾向にあるのは確かです。とりわけ高齢者は明日が来るのが怖くなるからですが、それにしても今回の転落死は不自然な点が多すぎる。そもそも、Sアミーユ川崎幸町では夜間、6階建て80室を3人の職員で見ていたとされる。それではとても目が行き届きません。ワンフロアに1人、最低で6人は必要です。ただ一方で、大半の老人ホームは人員を増やせば経営が成り立たなくなるという現実もある。起こるべくして起こった“事故”といえます」

Sアミーユ川崎幸町では今年3月、別の男性入所者が入浴中に死亡する事故が起きている。さらに7月にも、4人の職員が85歳の女性入所者に暴力を加えたり暴言を吐いたとして、川崎市から是正勧告を受けていたことも新たに分かった。

「積和サポートシステムは現在、東京や神奈川など26カ所でSアミーユを運営している。10年3月期に42億円だった売上高は昨年3月期に72億円と急成長を遂げています」(民間調査会社関係者)

売り上げ増に見合ったサービスがなされていたのか。川崎市は3人の転落死に不自然な点があるとして、今週中にも調査に乗り出すという。




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