原子力機構 未完成施設 納税16億円

日本原子力研究開発機構(原子力機構)が、未完成のまま休眠状態にある高速増殖原型炉もんじゅの関連施設(茨城県東海村)をめぐり、本来なら完成後に支払う固定資産税など総額約十六億円をこの十五年間に茨城県と東海村に支払ってきたことが明らかになった。機構の運営資金は国民の税金でほぼ賄っているが、実質的な「地元対策費」として立地自治体に流れていたことになる。

原子力機構によると、施設の工事を中止した二〇〇〇年度以降、一四年度までに固定資産税と都市計画税として計約十四億円を東海村に納付。茨城県には〇〇年度に施設建物の不動産取得税として約二億三千八百万円を支払った。

固定資産税、都市計画税、建物の不動産取得税は、建物が完成すると評価額が決まり、課税される。本来なら支払う必要のない税金を納めた理由について、原子力機構は「課税当局が完成していると判断したので従わざるを得ない」と説明。茨城県と東海村は本紙の取材にいずれも「個別の税情報についてはコメントできない」と回答した。この問題を国会で質問した自民党の秋本真利衆院議員は「政治的判断で地元対策に使ってきた」と指摘する。

施設は、もんじゅなどの使用済み核燃料の再処理を研究する「リサイクル機器試験施設(RETF)」。一九九五年に着工し、約八百三十億円の建設費をかけたが、もんじゅのナトリウム漏れ事故などの影響で〇〇年に工事を中止。年間約二千七百万円の維持費がかかっており、一一年に会計検査院が改善を求めた。そのため、百億円規模の国費を投じて別目的の施設に改造する計画を検討している。




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