ワカサギ持ち帰り 自粛要請を解除へ 「4年半 長かった」赤城大沼と榛名湖

東京電力福島第一原発事故の影響により、赤城大沼(前橋市)と榛名湖(高崎市)のワカサギに放射性物質が検出されている問題。県が二十八日に現在出している釣った魚の持ち帰り自粛要請を九月一日に解除すると発表したのを受け、赤城大沼の地元関係者からは待望の知らせに歓迎の声が上がった。 

「原発事故以来のこの四年半、長く、本当に苦しい思いをしてきた。やっと仕事に意欲が出てきたので、観光客が増えるように頑張りたい。客の多い冬の氷上穴釣りまで解除が続いてほしい」。約四十人の組合員がいる赤城大沼漁業協同組合の青木泰孝組合長は、旅館も経営しており、感慨を深めている。

青木組合長によると、原発事故前、九〜十一月のボート釣りでは延べ約千五百人、一〜三月ごろの氷上穴釣りでは同約二万人が訪れていたが、事故後はそれぞれ約六割も減少した。

このため、宿泊施設や土産・飲食店なども含む地元の観光産業全体が大きなダメージを受けてきた。

ワカサギの放射性セシウムの基準値は一キロ当たり一〇〇ベクレル。ただ、水産庁は「安定的に基準値を超えないためには、五〇ベクレル前後が持続するのが目安」との見解を示している。

今年七、八月の検査では、赤城大沼、榛名湖とも八回連続して同五〇ベクレル前後で推移した。このため、赤城大沼漁協と県の担当者らは二十五日、水産庁などを訪れ、自粛要請の解除を認めるように求めていた。

これを受け、水産庁は二十七日、関係省庁と話し合い、同日夜に県に「自粛要請の解除は差し支えない」と伝えた。

水産庁は取材に対し「これまでの放射性物質の傾向を踏まえ、全体的に低下傾向にあると総合的に判断した。地元の思いも分かってはいるが、国としては安全のためデータを冷静に判断する必要があった」と説明する。

県水産係は「釣った魚は食べても安全と判断している。ただ、今後も週に二回程度の検査を続け、一度でも基準値を超えると、再度自粛要請を出すことになる」と話している。

赤城大沼では、原発事故のあった二〇一一年八月末、県が釣り自体の自粛を要請。一二年三月からは釣った魚の持ち帰り自粛要請に切り替えた。

榛名湖では、一一、一二の両年はワカサギの不漁で釣りができず、一三年二月から持ち帰り自粛要請が続いていた。榛名湖のボート釣りも十一月末までの予定。




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