前例ない陛下への謝罪要求、対日歴史問題で「中韓共闘のサイン」? 保守派主導か

中国の国営新華社通信が25日に配信した記事で「天皇陛下は先の大戦について謝罪すべきだ」と主張した問題は、中国の内外で大きな波紋を広げている。北京の日本問題専門家は「歴史問題で中国と韓国が連携を強めるサインの可能性もある」との見方を示した。

中国は日中戦争について、毛沢東時代から「日本の軍国主義勢力による犯罪であり、日本国民も戦争の被害者だ」との「二元論」を取ってきた。歴史認識問題で日本を批判する際は、もっぱら政治家らを標的とし、日本国民の対中感情の悪化を避ける思惑から、日本国憲法で日本国と日本国民統合の「象徴」と規定される天皇への言及には極めて慎重だった。

一方、韓国では天皇の戦争責任を問う声が根強く、2012年夏、当時の李明博(イ・ミョンバク)大統領が「日王(天皇)が韓国に来たければ独立運動家に謝罪せよ」と要求したこともあった。

今回、新華社の記事が配信されたタイミングは、朴槿恵(パク・クネ)大統領が内外の反対を押し切り、北京で9月3日に行われる軍事パレードへの出席を決めた時期とほぼ重なる。このため、朴氏のパレード出席などをめぐる中韓の外交折衝の中で韓国が“対日共闘”を呼びかけ、中国が応じたのではないかとの憶測が北京の関係者の間で飛び交っている。

中国共産党内部では日中関係に関し、保守派と改革派との間で大きな温度差があるとされる。今回の記事は保守派が主導して書かせた可能性もあり、歴史問題で対日方針が変更されたと結論づけるのは時期尚早との見方もある。

また、新華社の配信記事を最も権威のある人民日報が掲載せず、重要度では2番手とされる「光明日報」が掲載したのも、国内外の反応を探る観測気球だった可能性がある。




http://www.sankei.com/world/news/150828/wor1508280037-n1.html